債務整理をすると生命保険にも影響が出る場合があるということを知らない人は結構多いです。
債務整理をすると資産に影響が出る場合があるということは何となく知っている方も多いかと思います。
ただ資産として思いつくものとして、現金や普通預金、自動車や持ち家などを想像する方もいますが、場合によっては生命保険も資産になる可能性があります。
そこでここでは債務整理をすることによる生命保険への影響についてわかりやすく説明しようと思います。
生命保険には掛け捨てと積立型がある
生命保険には「掛け捨て型の生命保険」と「積立型の生命保険」があります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか?
掛け捨てか積立なのかによって債務整理をする場合の影響も違ってくるので、自分が利用している生命保険がどちらなのかは事前に把握しておくといいです。
掛け捨て型の生命保険とは
掛け捨て型の生命保険は保険料金が安いという特徴があり、積み立て型の生命保険とは違って、満期や解約したとしても解約返戻金が戻ってくることはないです。
しかし解約返戻金が戻ってこないからこそ保険料が安く利用できます。
そのため20代の独身の方や出費が多い若い結婚世代が利用しているケースが多いです。
他にも定年退職後に医療負担を軽くするために掛け捨て型の医療保障などを利用する方も多いと思います。
積立型の生命保険とは
積立型の生命保険は掛け捨てとは違って、満期や解約すると解約返戻金が戻ってくる生命保険のことになります。
ただ積立型の生命保険は保険料が掛け捨て型よりも高くなっているので、必ずしも積立型が良いというわけではないです。
そのため積立型の生命保険は、保障と将来の貯蓄目的に利用する方も多いです。
積立型の生命保険は長期間保険料を払っていくことになるので、人によっては解約返戻金がかなりの金額になることもあります。
債務整理方法によっては解約返戻金が没収される
生命保険は債務整理することによって解約返戻金が没収されてしまう可能性があります。
そのため掛け捨て型の生命保険の場合だと解約返戻金がないので債務整理したとしてもそのまま加入し続けることが可能ですが、積立型の生命保険の場合はそうはいかない可能性があります。
つまり掛け捨て型の生命保険の場合は、解約返戻金がないので資産的な価値がないですが、積立型の生命保険は貯蓄的な要素があり、解約返戻金には資産的な価値があることから、そのことが債務整理に影響します。
そのため債務整理方法によっては、保険が強制解約されて、解約返戻金が没収されてしまう可能性があります。
下記で解約返戻金が債務整理でどのような影響を受けるのか詳しくまとめています。
債務整理をすることによる生命保険への影響
債務整理をすることで生命保険が解約されてしまい解約返戻金が没収されてしまう場合があります。
逆に債務整理方法によってはそのまま保険に加入し続けられる場合もあるので、一概に債務整理したからといって、解約返戻金が没収されるというわけではないです。
とはいっても解約返戻金で借金返済の見込みが立つのであれば、債務整理する前に解約返戻金で返済工面したほうがいいんですけどね。
下記で債務整理別に解約返戻金の取り扱いをまとめています。
任意整理の場合
任意整理は債権者と交渉して返済条件を変えてもらったり利息を免除してもらうという債務整理方法になります。
任意整理の場合は積立型で解約返戻金があったとしても、それを解約して借金返済に充てなければならない義務はないので、そのまま保険を残すことができます。
任意整理に関しては交渉によって結果が変わってくる債務整理方法で、そもそも相手に生命保険に入っていることは知られないです。
そのため任意整理の場合は解約返戻金など持っている資産に影響を与えずに借金返済の負担を減らすことができます。
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個人再生の場合
個人再生は自己破産と同じく裁判所で手続きを行う債務整理方法で、借金を元本からがっつりと減額できる債務整理方法で、最大で借金が10分の1まで減らすことができます。
個人再生も任意整理と同様に、手続きをしたからといって生命保険が強制解約されることはなく、解約返戻金を残すことができます。
ただ財産目録として裁判所に申告する必要があり、解約返戻金は資産として扱われることになることから、個人再生の減額幅に影響がでる可能性があります。
個人再生では生命保険を強制解約されることはないですが、借金の減額幅に影響が出るので全く影響がないとは言い切れないです。
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自己破産の場合
自己破産は裁判所から免責を認められると借金返済の義務がなくなるという非常に強力な債務整理方法で、手続きが終わると実質借金がゼロになります。
自己破産の場合は高額資産は没収されてしまうので、解約返戻金の額が大きい場合には強制解約になってしまって、解約返戻金が没収されてしまう可能性があります。
自己破産の場合は価値が20万円以上のものは高額資産とみなされるので、解約返戻金の価値が20万円以上の場合は裁判所から解約を求められる可能性があります。
逆に解約返戻金が20万円以下なら解約せずにそのまま加入し続けられる可能性があります。
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債務整理前に保険料を滞納していた場合
債務整理前に保険料を滞納していた場合にはどうなるのでしょうか?
結論を言ってしまうと保険が失効するだけです。
保険料を滞納していたとしても保険会社にはこれといった損害が生じるわけではないので契約を解消されるだけになります。
別に借金しているわけではないので保険料を取り立てられるということもないです。
まあ、債務整理するくらい借金返済に苦しめられているなら、保険は一度解約したほうが無難かと思います。
債務整理後に生命保険の再加入は可能か?
債務整理後に生命保険に再加入できるのか気になっている方もいるのではないでしょうか?
自己破産後に生命保険を強制解約されてしまってけど、経済的に安定してきたので保険に再加入したいと思うこともあると思います。
結論から言ってしまうと、生命保険に関しては債務整理後でも普通に再加入することは可能です。
そもそも借金するわけではないので、債務整理したという理由で断られることはないです。そのため健康上問題がなければ普通に加入することができると思います。
債務整理で生命保険を強制解約されたとしても、生命保険会社に損失が出るわけではないので信用情報がブラックリストに登録されることないです。
まとめ
生命保険は掛け捨て型の生命保険の場合は、どの債務整理方法でも影響を受けることなく加入し続けることができます。
しかし積立型の生命保険の場合は解約返戻金が資産といて計上されることになるので、そのことによって債務整理に影響が及ぶことになります。
任意整理は解約返戻金があっても影響はないですが、個人再生は解約返戻金によって借金の減額幅に影響が出る可能性があり、自己破産は解約返戻金の価値が20万円以上なら強制解約になる可能性があります。
とはいっても生命保険は債務整理後に再加入することが可能なので、そこまでこだわる必要はないと思います。
まずは債務整理に強い弁護士や司法書士に生命保険の取り扱いなどの話を聞いてどのようにするのが最適なのかを聞いてみるといいです。
当サイトでは債務整理の無料相談を行っている弁護士や司法書士を都道府県別にまとめているのでよかったら参考にしてください。