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税金の滞納分を債務整理で減額できるか?【住民税・国民健康保険】

借金返済できない状況が続いていると、住民税や年金、国民健康保険などの税金を滞納してしまう方も珍しくないです。

住民税や国民健康保険は収入が少ない場合はそこまで大きな負担にはなりませんが、年金は定額なので免除申請などをしないと結構大きな負担になります。

また前年収入が多めにあって、今年になって急に収入が減ると住民税や国民健康保険の負担が重くなってしまって払えなくなってしまうことも珍しくないです。

ではもしも住民税や年金・国民健康保険などの税金を滞納してしまった場合、債務整理で減額することはできるのでしょうか?

税金は債務整理で減額や免責することはできない

税金債務整理できない

住民税や年金、国民健康保険などの税金は債務整理で減額や免除してもらうことはできないです。

これは任意整理・個人再生・自己破産を含めたすべての債務整理方法に共通することで、一番強力な債務整理方法である自己破産でも税金だけは免責することはできないです。

つまり税金は非免責債権ということになります。

そのため債務整理したとしても税金の支払いだけはしっかりと残ってしまうことになるので非常に厄介です。

税金だけは他の借金とは別格のものだと思っておいた方がいいです。

ちなみに税金を滞納した場合の遅延損害金(延滞料金)も債務整理では減額や免除もできないので、支払いが遅くなるとどんどん負担が大きくなってしまいます。

減額や免責できない税金とはどのようなもの?

税金の分類対象税
国税所得税・相続税・法人税・贈与税等
地方税住民税・固定資産税・自動車税・不動産取得税等
社会保険料国民健康保険料・国民年金・厚生年金等

税金の滞納で具体的に非免責債権になる税金がどのようなものかということが気になる方もいると思いますが、簡単にまとめると上記のような税金は免責や減額することができないです。

他にも色々な税金がありますが、身近でわかりやすい税金を中心にまとめてみました。

これらの税金は債務整理しても減額することができず、支払いが遅れると遅延損害金などが発生して手が付けられないようになってしまう可能性があります。

国民健康保険などは毎月のように発生し、一度滞納してしまうとそのままズルズルと滞納する原因になってしまいます。

実際に筆者は若いころに国民健康保険を滞納して支払いに苦労した過去があります。

住民税などもまとめて結構な金額が請求されてきたりするので、手元にお金がなくて支払えないということになる方も多いようです。

税金を滞納し続けるとどうなる?

税金滞納

税金を滞納すると非常に厄介です。そもそも債務整理で減額や免責することができないのだから、普通は他の借金よりも優先的に支払っていく必要があります。

税金を滞納すると遅延損害金(延滞利息)が発生するのはもちろんですが、滞納が続くようだと資産や給料が差し押さえられてしまう可能性があります。

税金による資産や給料の差し押さえは強力で、普通の金融業者の場合だと、差し押さえを行う場合には裁判所を通して行うことになりますが、税金の場合は裁判所は通さずに差し押さえをすることができます。

これは滞納処分と呼ばれており、抗うことはできないです。

しかし普通は債務整理手続きをすることによって、差し押さえをストップすることができるのですが税金の場合はどうなのでしょうか?

債務整理で税金の差し押さえは止められる?

債務整理税金差し押さえ

債務整理手続きをすると、差し押さえ手続きが進んでいる場合にはいったんストップすることになるので、債務整理には差し押さえを止める力があります。

そのため借金返済ができずに、資産や給料の差し押さえが迫っている場合には、債務整理手続きをするとで、一旦は差し押さえを回避することができ、また借金返済の見通しを立てることができます。

しかしそれはあくまでも税金以外の一般的な借金での話です。

税金の場合はそもそも債務整理の効果は期待できないので、滞納処分が出てしまうと、債務整理をしても資産や給料の差し押さえを止めることはできないです。

税金の滞納はそれだけ厄介で対処方法がほとんどない難しい状況ということになります。

そのため税金滞納は滞納処分が出る前に解決の見通しを立てることが重要になってきます。

税金は時効で踏み倒すことはできるのか?

税金時効

税金の時効は法定納期限から5年を経過することによって成立することになります。つまり税金にも支払いの時効があるということです。

ただ5年というのは一般的な税金の時効で、脱税など不正行為があったようなケースだと時効は7年になります。

税金の時効

所得税を期限内に申告していた場合:3年
所得税を期限内に申告してない場合:5年
意図的に申告せず納税しなかった場合:7年
贈与税の場合:6年

それなら5年支払いを拒み続ければ税金を踏み倒せるのでは?と思う方もいますが、時効には「中断事由」というものがあり、税金の金額訂正や、納税に関する督促などによって、時効が途中でリセットされたりします。

当たり前ですが、時効成立まで税務署などが何もしないわけはなく、納税の督促は定期的に行われています。

そのため税金を時効で踏み倒すというのは現実的な方法ではないと思ったほうがいいです。

税金滞納の問題の解決方法とは

税金滞納解決方法

税金滞納は債務整理で解決することはできないので、どうやって解決したらいいの?と思う方も多いと思いますが、大事なのは自治体や役所にまずは相談するということです。

自治体や税務署もしっかりと事前に相談して支払いの意思があることを伝えれば分割払いなどの分納にも対応してくれます。

一番マズイのは放置することなので、税金を滞納していて支払える状況ではないようなら早めに相談するようにしましょう。

また経済的に支払いが難しい場合には、年金などに関しては今後の支払いに関して免除申請などの制度もあったりします。

税金滞納に関しては弁護士では役所に早めに相談することが大事になってきます。

まとめ

債務整理税金まとめ

税金は債務整理では減額や免責することはできないので、税金滞納だけのために債務整理をするのは意味がないことです。

ただ税金以外の借金が税金の支払いに影響を与えているようなら、税金以外の借金を債務整理で整理することで、滞納している税金の支払いを増やすことができ、税金問題解決の糸口になると思います。

そのため債務整理は税金を支払うための金銭的な余裕を作り出す手続きという位置づけで利用するといいかもしれないです。

税金を滞納している場合には、そのままにしていると給料や資産を差し押さえられてしまうので、早めに相談して分納を認めてもらい、差し押さえをされないようにすることが重要です。

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