奨学金返済ができなくなってしまって債務整理で奨学金を減額したり免責してもらって返済する方法についてまとめています。
奨学金が返済できなくて滞納してしまっている人は多いです。そうした中でどのようにして奨学金でつくってしまった借金を減額すればいいのでしょうか?
奨学金を借金だと思わずに安易に借りてしまう人が多い
奨学金はしっかりと利息がつく借金なのですが、あまりに多くの人が当たり前のように利用しているので、借金だということをあまり意識せずに借りてしまっている人は多いです。
そして実際に返済するようになって奨学金という借金の重さに気づく人が多いです。
多くの人は奨学金返済がここまで厳しいものだとは考えずに借りてしまい、就職して返済するころになって苦労するという方が多いです。
近年ではこういった奨学金返済で、途中で返せなくなってしまったという人が社会問題人なっているくらいなので、さらにこれからも増えてくると思います。
奨学金は人によって1000万円近くの方もおり、返済までに何十年とかかるような場合もあるので、一度返済が滞ってしまうと非常に厄介です。
奨学金を滞納してしまうとどうなるの?
奨学金は普通の借金を大きな違いはないので、滞納すると催促も来ますし、場合には強制執行で差し押さえなども行われます。
奨学金の返済を滞納すると色々なデメリットがあるので、滞納するとどうなるのかしっかりと抑えておきましょう。
滞納すると、催促、法的措置、差し押さえの強制執行という流れで処理されていきます。ではそれぞれどのような影響があるのか下記に載せたので参考にしてください。
奨学金滞納による催促
奨学金返済での滞納による第一段階として、日本学生支援機構等の借りている所からの返済の催促通知が来ます。
日本学生支援機構の場合だと、滞納して4ヶ月経過しても返済が行われないと、債権回収業者に債権の回収が委託されます。
さらに日本学生支援機構では一定期間滞納すると個人情報が金融機関などで共有されているブラックリストに掲載されます。
ブラックリストに掲載されるとクレジットカードが作れなかったり、ローンが組めなかったりのデメリットがあります。
奨学金返済による法的措置
催促によっても奨学金の返済が行われない場合だと、滞納者に対して、返済を求める裁判手続きなどの法的措置が行われるという通知が送られてきます。
日本学生支援機構の場合だと滞納から9カ月でこの奨学金返済の法的措置の通知書が送られるようです。この通知書を受け取った時点で返済を行えばいいですが、ここ返済を行わないと裁判になってしまいます。
ちなみに裁判になると滞納者が勝つことはないので、さらに厄介なことになります。
奨学金返済による強制執行による差し押さえ
奨学金返済で法的措置を受けて、裁判で敗訴すると強制執行の前段階として滞納者の財産が差し押さえられるようになってしまいます。
ここまで来てしまうとかなり追い詰められるので、できるだけ早く対処するようにしないといけないです。
基本的にはここまで追い詰められる前に対処する方法があるので、当サイトを参考にしてはどうでしょうか。
奨学金返済が苦しい場合の救済措置とは
奨学金返済が苦しい場合には、ただ滞納するのではなく救済措置を利用するようにしましょう。
普通に滞納するとあまりにデメリットが大きいのでおすすめしません。
また滞納しても奨学金の返済額が減るわけでもないので、しっかりと対応することが大事になってきます。
実際に奨学金には色々な救済制度があるので利用を検討するのもいいと思います。
奨学金の減額返還制度について
奨学金の返済が難しい場合には減額返還制度を利用するようにするといいと思います。
減額返還制度は毎月の返済額が半分になり、その分だけ奨学金返済の負担が少なくなるという救済措置になります。
ただ奨学金返済総額に変化はなく、その年の毎月の返済額が半分になるだけで、少なくなった分の金額分だけ返済年が増えるという仕組みです。
この減額返還制度は一回の申請で1年間適用されます。
ちなみにこの減額返還制度に利用条件があり、それは「災害や傷病、その他経済的な理由で返済が困難」という場合でさらに延滞金がないという状態です。
経済的な事情では給与所得なら年収325万円以下、自営業なら利益が225万円以下なら利用できます。
利用方法は簡単で書類を所管する日本学生支援機構に出すだけで手続き完了になります。
こうして見ると給与所得年収325万円以下なら、奨学金返済で困っている人の多くが利用できるのではないでしょうか。
返済期限猶予を利用して奨学金の負担を軽減
返還期限猶予は名前からも分かると思いますが、奨学金の返済期限を延長するという方法になります。
この返還期限猶予には一般猶予と所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予の2種類があり、違いについて知っておきましょう。
一般猶予
一般猶予は最大で10年の返済猶予期間を得ることができる手続きになっており、失業中だったり、生活保護を受けていたり、経済的な困難状態だったり、病気や怪我だったりした場合に、その期間に限って返還期限が無期限になる手続きです。
ちなみに経済的な困難に該当するのは、会社員なら給与所得が300万円以下で、自営業なら利益が200万円以下という場合です。
所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予
所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予は奨学金を借りた学生がある程度の年収になるまで返還開始を待ってもらえるという制度になります。
猶予期間は無制限で、1年に1度の申請が必要になります。ちなみに給与所得が300万円以下の場合はずっと申請することができます。また自営業の場合には利益が200万円以下の場合に限ります。
さらに妊娠中であったり、当人が身体障害を抱えており仕事ができない場合も申請することが可能です。
上記のような救済措置はまだ延滞してないような場合に利用できる方法ですが、もし延滞してしまっている場合には債務整理してしまったほうがいいと思います。
延滞しているということは、おそらく既に支払うのが困難な状態になっており、救済措置も受けられないという八方塞がりな状態だと思います。
奨学金は債務整理で減額することは可能か?
結論から言ってしまうと奨学金は債務整理することが可能です。
奨学金と聞くと何か特別な借金な感じがして、債務整理では減額することができないのではないかと思われがちですが、実際には債務整理で奨学金を整理することは可能です。
実際に多くの人が奨学金を払うことができず、債務整理を利用して奨学金を債務整理して新たなスタートをしています。
ただ奨学金には保証人が設定されているので安易に債務整理することができないという事情もがあります。
一般的なカードローンやクレジットカードのショッピングローンやキャッシングでは保証人は必要ないですが、奨学金は借りるときに保証人を用意することになります。
奨学金には連帯保証人が設定されている
奨学金の厄介な所は連帯保証人が設定されているということなんですよね。
基本的に日本の奨学金制度って無利子タイプと有利子タイプの2種類があるのですが、基本的に多くの人は有利子タイプの奨学金を借りていると思います。
近年は大学の学費が高額化しているので、有利子タイプの奨学金を借りていると、奨学金という名の借金が卒業する頃には500万円以上になっていることも珍しくないです。
これにさらに利子を支払う必要があるので結構な金額になります。
こういった奨学金には連帯保証人が設定されており、学生が返済できなくなったら、その保証人に返済の責任が来るという仕組みになります。
奨学金を運営している日本学生支援機構としては貸倒を防止するためなので、連帯保証人の設定は仕方ないことですが、利子が結構高いので、40歳を過ぎても奨学金を返済している人も少なくないです。
連帯保証人の制度によって借金が払えない人が自己破産できないという現実があります。
そんな保証人制度ですが、保証人には連帯保証人と保証人の2種類があるのをご存知でしょうか?
それぞれ責任の重みに違いがあるんです。
連帯保証人について
連帯保証人はお金を借りた人の借金を保証するという意味になっており、自分の借金ではなくても借りた人と同等の責任を負う仕組みになっています。
よく連帯保証人は怖いと言われますが、こういった定義だと知ると確かに怖いですよね。
奨学金の場合を含めて、基本的に借りている本人が返済している間は問題ないのですが、借りている本人が返済できなくなったら連帯保証人が返済を迫られることになるので、連帯保証人に迷惑がかかります。
奨学金の場合だと親が連帯保証人になっているケースが多いと思います。
こうしたことを考慮すると安易に自己破産できないのもうなずけますよね。
保証人について
保証人は連帯保証人よりは責任が軽くなったもので、借金をした本人が支払うことができなくなって、借金の取立の催促が来たとしても「本人や連帯保証人に請求してください」と断ることができます。
こうして見るとそこまでリスクがないのではないか?とおもうかもしれないですが、借金した本人や連帯保証人が自己破産してしまったりして、返済できなくなったら、保証人にも返済義務が生じるようになります。
保証人については親族の誰かがなっていることが多いと思います。
このような感じで奨学金については簡単に自己破産できないような仕組みになっているんですよね。
機関保証なら普通に債務整理を利用できる
奨学金は連帯保証人などの保証人を求められますが、近年は奨学金による自己破産などが増えているという背景があるためか、機関保証を利用する方が増えています。
機関保証は保証人を親や親族ではなく保証会社にお願いするというもので、加入対象者が一定の保証料を支払うことで利用でき、奨学金から保証料を差し引いた金額が振り込まれることになります。
つまり機関保証を利用して奨学金を借りた場合には、親族などに迷惑をかけずに債務整理することができるというメリットがあります。
大学の学費が上がっている現状では、将来の債務整理リスクを排除するために、保証人の宛があるような場合でも、あえて機関保証を利用する人が増えています。
奨学金の債務整理方法
奨学金を債務整理する場合に、任意整理・個人再生・自己破産に分けてそれぞれ説明していこうと思います。
債務整理方法によっては奨学金返済に利用できないものもあるので知っておきましょう。
任意整理
任意整理は奨学金を管轄している日本学生支援機構と交渉して借金返済の条件変えてもらうという手続き方法で借金返済の負担を減らしてもらうという債務整理方法です。
ただ結論を言ってしまうと日本学生支援機構は任意整理の交渉には応じてくれないです。そのため奨学金を任意整理で整理するメリットはないです。
しかし連帯保証人の関係で個人再生や自己破産を利用できない状況で、奨学金以外に借金があるような場合では、奨学金以外の借金を整理できるという意味で役立ちます。
奨学金を減額することはできないですが、奨学金以外の借金がある場合には役立つ債務整理方法です。
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個人再生
個人再生は裁判所で手続きを行う債務整理方法で、奨学金も債務整理対象にすることができ、大幅に奨学金による借金を減額することができます。
個人再生は任意整理とは違って債務整理対象を選ぶことができないので、手続きすると奨学金を含めたすべての借金が債務整理されてしまいます。
奨学金を借りたときに、機関保証を利用しているような場合は知り合いに迷惑をかけることなく個人再生できるので問題ないです。
ただ連帯保証人で両親や親戚が保証人になっているような状況だと、減額された部分について、連帯保証人に請求が行くので、連帯保証人に迷惑をかけてしまうことになります。
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自己破産
奨学金を債務整理する場合に利用されることが多いのが自己破産です。
自己破産を利用すれば自己破産を全額免責することができるので、借金返済の義務がなくなり、奨学金返済の負担から解放されます。
自己破産も個人再生と同様で、機関保証を利用しているような状況なら、自己破産しても知り合いに迷惑をかけることがないので、気兼ねなく自己破産することができます。
しかし連帯保証人が両親や親戚の場合は自己破産することで、返済負担が連帯保証人に行くことになるので注意が必要です。
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個人再生や自己破産で奨学金を債務整理する時の対策方法
奨学金を含めた借金がどうしても返済することができずに、個人再生や自己破産を利用しなければならないような場合にはどうすればいいのでしょうか?
機関保証を利用しているなら悩むことはないですが、連帯保証人がいるようだと簡単に個人再生や自己破産を利用することはできないです。
そのため利用する場合には事前にしっかりと事情を説明しておく必要があります。それを踏まえて下記のような対策方法があります。
連帯保証人も一緒に債務整理する
連帯保証人がついた奨学金を自己破産する方の中には、連帯保証人も一緒に自己破産して債務整理をするケースもあります。
自分だけ自己破産しても連帯保証人に支払い能力がなければ結局自己破産することになるので、事情を説明して一緒に債務整理をするという方もいます。
これなら本人も連帯保証人も借金を負担せずに済みます。とは言っても連帯保証人の方の事情もあるので、事前にしっかりと話し合う必要があります。
連帯保証人への請求を代わりに払う
奨学金以外にも多額の借金があり、自己破産しなければならないようなケースの場合には、自己破産して連帯保証人に請求が行った分をこちらで代わりにお金を渡して払うという方法もあります。
奨学金以外に多額の借金がある場合には、それを免責してもらうだけもかなり大きな借金負担軽減になります。
そのため保証人がついている奨学金に関しては、請求がいってしまった保証人に奨学金の額を渡して代わりに払ってもらうという方法もあります。
奨学金側としては別に誰のお金でも払ってもらえば問題ないので、あまり望ましい方法ではないですが、保証人に迷惑をかけないという方法としては利用できます。
奨学金が返済できないなら専門家に相談しよう
奨学金返済問題についてはニュースでも話題になっているくらいなので、債務整理弁護士などの専門家は多くの人が同様の事例を扱っています。
奨学金の返済事情については個人によって異なってくるので、どの方法が一番負担軽減に繋がるかは人によって違ってきます。
そのため自分で判断せずに専門家に相談するようにするといいと思います。
こういった奨学金返済問題を含めて、借金問題について無料相談を受け付けている法律事務所について当サイトではいくつかオススメの弁護士事務所を載せているので参考にしてください。
一人で無理するよりはまずは専門家に相談してどうするのがベストなのかアドバスを貰ってから行動するといいです。