クラウドファンディングは近年よく話題になる言葉で、クラウドファンディングを利用して借金返済の負担を軽くすることはでないのかどうかを考えたことがある方もいるのではないでしょうか。
クラウドファンディングはネットなどの媒体で自分のやりたいことを発表して賛同してくれる方から広く資金を集めるという仕組みになります。
クラウドファンディングには「寄付型」「投資型」「融資型」「購入型」というものがあり、お金を集める際に資金を提供してくれた方へのリターン方法によって状のような感じにわかれます。
一般的には「投資型」という利益から配当という形でリターンを出す方法や、「融資型」という利子という形でリターンを提供するものが一般的です。
他にも「寄付型」という集めた資金についてリターンなしというクラウドファンディングも存在します。
クラウドファンディングで借金返済の資金の調達は難しい
クラウドファンディングには上記のように色々な方法があるので、借金返済に利用することはできそうなのではないかと感じる方もいると思います。
ただクラウドファンディングを借金返済に利用するにあたっていくつかの問題点も存在します。
クラウドファンディングでの借金返済利用の問題
- クラウドファンディングの審査に通らない
- 手元にお金が入るまで数か月かかる
- 炎上リスクがある
- 目的の金額が集まるかは不透明
クラウドファンディングの審査に通らない
クラウドファンディングは基本的にインターネットのクラウドファンディングを仲介するサイトを利用して支援を呼びかけることになります。
しかし「借金返済」という理由でクラウドファンディングで募集をかけることを仲介サイトが審査で認めてくれるのかという問題があります。
一般的に考えて、「借金返済」という理由でクラウドファンディングで募集を認めると、サービスの質低下につながるのではないかと私は感じます。
借金返済で困っている方は多いので、クラウドファンディングの案件が「借金返済」ばかりになってしまったら、そのサービスを利用しなくなってします可能性があります。
そのため運営者側の考えで審査からはじかれる可能性は十分にあります。
手元にお金が入るまで数か月かかる
クラウドファンディングで資金を得ることができたら、すぐに口座に入金されると思っている方もいますが、実際には集まったお金が手元に入るまでには数か月以上かかるのが普通です。
当然ですがその間にも借金の取立ては続くことになり、すでに取立てがひっ迫している状況だと、手元にお金が入る前に強制執行によって資産や給料が差し押さえられてしまう可能性があります。
つまり仮にクラウドファンディングでお金が手に入ったとしても、手元にお金が手に入る間に、借金の利息などによってさらに返済負担が増えてしまって、結局は借金問題を解決できないという可能性もあるということです。
炎上リスクがある
クラウドファンディングでは真面目に事業資金を集めるために、事業計画などを作ってクラウドファンディングに挑んでいる方もいるので、そういった中で「借金返済」という理由でクラウドファンディングを利用する方への風当たりが厳しくなる可能性があるということは考える必要があります。
普通に考えて「借金返済できないので融資してください」とクラウドファンディングで訴えたら、単純に馬鹿にしているのではないかと思う方が大多数だと思います。
当然ですがそのような案件に対して「炎上リスク」が生じるのは無理のないことです。
「自分の借金は自分で返せ!他人を頼るな!」と思い、怒りを感じる方が出てくるのも当然だと思います。
目的の金額が集まるかは不透明
クラウドファンディングでは必ずしも目的の金額が集まるとは限らないので、利用したからといって、満足の行くお金を得ることができるかどうかはわかりません。
特に「借金返済」が目的のようなクラウドファンディングだと、投資対象としての魅力はほとんどないので、どの程度お金が集まるのか疑問です。
遊び半分でお金を出してくれる方もいると思いますが、借金が完済できるだけのお金が集まる可能性は高くないと思います。
こちらが提供するリターンによってはお金が集まる可能性もありますが、どのようなリターンが効果的なのかは不透明です。
クラウドファンディングには見返りが必要?
クラウドファンディングでは基本的にお金を得る代わりにリターンが必要になってくるので、借金返済でクラウドファンディングを利用する場合にはどのようにリターンを設定するかがポイントになってきます。
寄付型のクラウドファンディングもありますが、借金返済のために利用するクラウドファンディングで、寄付型でお金を集めようとしてもお金は集まらないと思います。
そのため借金返済でクラウドファンディングではお金を集めるなら、どのようなリターンを用意するかということがポイントになります。
ただ借金返済のためにクラウドファンディングを利用するなら、お金をかけたリターンは用意することは難しいと思うので、リターンの方法も限られてきます。
しかしアイデア次第ではお金をかけなくてもお金が集められる可能性はあります。また自分独自のスキルなどがあれば、それを利用してお金にすることも可能です。
とは言っても、手間をかけた分だけのリターンがあるかは不透明なので、正直言って借金返済で利用するにはあまりお勧めできないです。
現実的に借金を整理するなら債務整理が一番
クラウドファンディングでお金が集まれば借金を減らすことができるかもしれないですが、成功する可能性は高くないと思います。
それよりは借金を法的に減額したり免除することができる債務整理手続きを利用するのが一番現実的な方法だと思います。
債務整理には任意整理・個人再生・自己破産という方法があり、それぞれ借金返済の負担を軽くすることが可能です。
任意整理
任意整理は弁護士や司法書士などの法律の専門家が、金融業者などの債権者と交渉して借金の利息を免除してもらったり、毎月の返済額を小さくしてもらうという債務整理方法になります。
交渉によって借金返済の負担を軽くするという債務整理方法なので、家族や会社に秘密で借金を整理することが可能です。そのため家族や会社に内緒の借金があるという方にはおすすめの債務整理方法です。
ただ借金の減額幅はそこまで大きくないので、どちらかということそこまで借金額が大きくない方向けの債務整理方法と言えます。
債務整理方法の中では一番敷居が低く利用しやすい手続き方法だと思います。
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個人再生
個人再生は裁判所で手続する債務整理方法で、任意整理と比べると手間もお金もかかる債務整理方法ですが、借金の減額幅は任意整理よりも圧倒的に有利です。
個人再生は手続きが非常に複雑な債務整理方法で、弁護士などの専門家に手続きを依頼したとしても半年くらい手続き期間が必要になる可能性があります。
ただ借金の減額幅は大きく、借金額や資産状況によっては借金が最大で10分の1まで減らせる可能性があります。
そういった意味では個人再生は借金額が大きい方向けの債務整理方法だと思ってもらうといいです。
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自己破産は裁判所から免責を受けることができれば借金返済の義務がなくなるという強力な債務整理方法です。
高額資産が没収されるというデメリットはありますが、借金で持ち家や自動車などの高額資産がないという方なら、手続きしても失うものは少ないです。
無職で収入がなく、借金返済の見込みがない方の場合だと最終手段になる債務整理方法です。
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債務整理とクラウドファンディングの違い
クラウドファンディングはお金を作って借金を返済するという方法で利用することになり、債務整理は法的に借金を減額したり免除するという方法になります。
どちらも成功すれば借金返済の負担は小さくなりますが、クラウドファンディングだとどの程度のお金が手に入るか不透明なので、クラウドファンディングとも残った借金を返済していくことが必要な場合もあります。
債務整理は弁護士や司法書士などの専門家に手続きを依頼するのが一般的で、依頼費用は必要ですが、ある程度の返済負担軽減幅は見通せるので、返済計画を立てやすいというメリットがあります。
個人的には借金返済を真剣に考えているなら、しっかりと返済の見通しを立てることができる債務整理を利用したほうがいいと考えます。
まとめ
クラウドファンディングは上手くすれば大きなお金を集められるかもしれないですが、借金返済という理由でどの程度お金が集まるかは不透明です。
また出資者へのリターンなども考える必要があり、事前にある程度勉強しておかないと期待外れの結果になる可能性も十分に考えられます。
返済にある程度余裕があって遊びでクラウドファンディングを利用するということならやってみる価値はあるかもしれないですが、返済に切羽詰まっている状況ならやめておいた方がいいです。
返済に行き詰っているようなら、早めに弁護士や司法書士に相談して債務整理を検討するといいと思います。
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