自己破産できない場合には、免責不許可事由に抵触している可能性があります。
免責不許可事由は自己破産前にしっかりと知ってから手続きを行う必要があります。
自己破産しても免責決定されないと意味がないので非常に大事なことになります。
自己破産は免責決定されてようやく借金がなくなるので、免責不許可事由に該当する場合には自己破産しても借金がなくならない可能性があります。
自己破産の免責はよほどのことがない限りは認められる
借金で非常に困っていて返済できないような状況に追い込まれている人は自己破産して借金をなくしたいと考えている人は多く、やむをえない事情で多重債務を負ってしまった人を救うのが自己破産なのです。
そのため救済する必要がない人については、自己破産の手続きを進めたり、免責することは決定されないです。
免責許可が決定されないことはありますが、借金が返せないくらい追い詰められているような状況なら基本的には自己破産の免責許可は決定されると思います。
自己破産できない事例を知っておこう
破産法で自己破産をする際に、どのような場合に自己破産の免責が決定されないのでしょうか?実は自己破産の免責取り消しについて法律で定められています。
いくつか免責不許可になる事例がありますので、自己破産をする際には該当するかどうか確認して行うようにしましょう。
下記のような場合には自己破産の免責決定がされず、自己破産できない可能性があるので注意が必要です。
自己破産できない不許可事由
・自己破産者が自分の財産を隠したり、壊したり、債権者に不利益に処分した場合
・商業帳簿を作る義務があるのに作らなかったり、不正確な記載をしたり、あるいは帳簿を隠したり捨てた時
・破産手続き開始を遅らせるために著しく不利益な条件で債務を負担したり信用取引で購入した商品を著しく不利益な条件で処分した場合
・支払不能状態に陥っているのに特定の債権者だけを特に有利にするため担保を提供したり期限前に弁済するなどした時
・破産手続き開始決定前の1年以内に支払不能の状態にあるのにそうではないと信用させるため詐欺をして信用取引で財産を得た場合
・裁判所に対して虚偽の債権者一覧表を提出し、または財産状態について虚偽の陳述をした場合
・自己破産の免責許可の申立て前の7年以内に免責を得ている場合
・破産法に定める義務に違反した時
上記のような場合には自己破産の免責決定が不許可になるので覚えておきましょう。
とは言ってもよく見て見ると普通に借金でどうしようもなくなった人なら該当しそうもないようなことが多いので、そこまで心配らないと思います。
ただ「自己破産の免責許可の申立て前の7年以内に免責を得ている場合」には注意するようにしましょう。
つまり何度も頻繁に自己破産をすることはできないということです。
一度自己破産したらしっかりと自分の経済環境を改めて見直すようにしましょう。
自己破産できない場合が多い事例
自己破産の免責不許可事由は上記のような感じになりますが、もっと具体的な事例を出した方が分かりやすいと思うので、いくつか分かりやすい事例をピックアップしました。
下記で免責不許可事由の問題になりやすい事例を載せているので参考にしてください。
ギャンブルや浪費による借金
自己破産をしたいというケースで多いのが、やはりFX、株の信用取引、競馬、競輪、パチンコ、不動産投資などのギャンブルや、遊びの趣味、娯楽、宴会に使った飲食費などの遊興費による借金です。
借金の多くがこういった内容による借金の場合には免責不許可事由に該当してしまいます。
ただ借金の一部としてギャンブルや遊興費などの浪費による借金がある場合には、一律に免責不許可事由になるとは限らないので、一度弁護士に相談してみるといいと思います。
ローンで購入した商品を転売
ローンで購入した品物を、ローン返済中に転売して現金化するような行為も免責不許可事由になります。
ローン返済中の商品を転売して、残ったローンを自己破産で処理してしまえば破産者が得することになりますからね。
破産管財人に協力しない
自己破産の手続きで管財事件になると資産を調べたり資産を分配するために破産管財人が選出されます。
この破産管財人の費用はこっちで払うことになるので、厄介だと思う人もいますが、これも自己破産で免責許可を得るためには必要なことです。
破産管財人に協力しないと手続きが進まないので、破産管財人に協力しない行為は手続きの妨害になります。
財産や債権者を隠す
自己破産では破産者の財産を処分して、債権者に分配することになるので、その財産を隠したりすると問題になります。
また同様の理由で債権者を隠すことも、破産手続きの妨げになる可能性があるので注意が必要です。
一部の借金だけを全額返済
自己破産の手続きは債権者の間でしっかりと不公平が生じないように公正に清算することが必要になってきます。
そのため一部の債権者の借金だけを全額返済してしまうなどの不公平な行為は禁止されています。
連帯保証人などが設定されている借金だけは全額返済してしまいたいと思う人もいますが、免責不許可事由になるので注意しましょう。
自己破産の免責は取り消されることがある
一度自己破産の免責が決定されたそれで安心かというとそうでもないです。
自己破産者に対して詐欺破産罪の有罪の判決が確定したとき、破産者の不正の方法によって免責許可の決定がなされた場合には、裁判所の職権あるいは破産債権者の申立により免責取り消しの決定がなされます。
ちなみに自己破産では弁護士に依頼した方がいいですが、支払不能に陥った事情を良く知っているのは債権者自身です。
そこで自分で勝手に「不利だから弁護士に黙っていよう」などと判断しないようにしましょう。
自己破産の免責申立てで嘘をついたとしても、客観的な状況からすぐにばれてしまって重大な嘘が裁判所にわかった場合には、上記で載せている「自己破産の免責不許可事由」に該当する可能性があるので注意しましょう。
ただ免責不許可事由になるからと言って絶対免責されないというわけでもないんですよね。
裁量免責なら免責不許可事由でも自己破産できる
免責不許可事由に該当していると、自己破産を諦めてしまう人もいますが、それはもったいないです。
免責不許可事由に該当するような場合でも正直に事情を話すと、裁判所の方で事情を考慮して免責許可決定を出すことがあります。
つまりギャンブルや浪費などによる借金でも、裁判所の判断によって免責が認められて借金返済の義務がなくなるということです。これを裁量免責と呼びます。
逆にこういった免責不許可事由に該当するのに隠したままで裁判所や破産管財人にバレてしまったら厄介です。
まずは最初から弁護士に免責不許可事由に該当するかもしれない事情を説明して、それでも裁量免責による自己破産が可能かどうか判断してもらうといいです。
債務整理に慣れている弁護士が自己破産を担当してくれたら、免責不許可事由でも裁量免責によって自己破産が認められる可能性があるか判断してくれますし、裁量免責を得るためのノウハウもあります。
当サイトでは自己破産などの債務整理に強い法律事務所を載せているので自己破産を検討しているなら、まずは気軽に無料相談を利用してはどうでしょうか。