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自己破産の同時廃止【同時廃止になる確率と条件】

自己破産を利用する場合には「同時廃止」と「管財事件」「少額管財事件」という手続き方法があります。

その中で「同時廃止」とはどのような自己破産手続きの方法なのでしょうか?

自己破産を利用する中で同時廃止を利用する人も多いので、まずは同時廃止に関して、自己破産をはじめて利用する人でもわかりやすいように解説しようと思います。

自己破産の同時廃止になる確率とは

自己破産の同時廃止は、これといった大きな財産がなく自己破産の手続き費用を払うのが困難な人が利用する手続き方法になります。

自己破産すると破産管財人が資産調査して資産を清算するという手順で手続きが進められますが、明らかに資産がないような場合は、こういった手続きが省略されて、破産手続き開始決定と同時に手続きが完了します。

そのため「管財事件」や「少額管財事件」という手続き方法よりも、金銭的な負担が軽く手続きにかかる時間が短いので、利用条件を満たしているなら同意廃止を利用するのがベストです。

そんな有利状況で自己破産できる確率は「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査 」によると破産全体に占める同時廃止の割合は約69%程度のようです。

では自己破産の同時廃止が認められる条件とはどのようなものなのでしょうか?

自己破産の同時廃止の条件とは

自己破産の同時廃止を利用するためには一定の条件を満たす必要があります。

それは「裁判所が破産財団をもって破産手続きの費用を支弁するのに不足すると認めるとき」と定められています。

これだけ見るとよく分からないと思う人もいるかと思いますが、破産財団の部分を「破産者の資産」と読み替えると何となく理解できるのではないでしょうか。

つまり、破産者の資産が破産手続き費用よりも少ない場合には同時廃止になるということです。

具体的には資産がある人は管財事件になり、資産がない人は同時廃止になるということです。

ではどれくらいの資産があると管財事件になり、どの程度資産がないと同時廃止になるのでしょうか?

自己破産の同時廃止にならないのは資産が20万円以上の場合

自己破産の同時廃止が認められるのは資産が20万円以下の場合と思っておくといいです。

ただ資産が20万円以下というのは結構シビアですよね。

自己破産の場合には、現金を99万円まで保有することができ、それを弁護士費用や引越し費用に使って生活を再建する予定の人もいるかと思います。

しかしこういったお金も資産になるので、20万円以上の場合には同時廃止にならないです。

同時廃止できないと管財事件になり、裁判所に納める予納金の額が非常に大きくなるのでかなり厄介です。

ただ弁護士に手続きを依頼すると、予納金を抑えられる少額管財事件での手続きを利用できる場合があるので確認するといいです。

では資産がある場合以外で、同時廃止にならないのは、どのようなことが考えられるのでしょうか?

資産の有無が分からないと同時廃止にならない

自己破産の同時廃止が認められるのは、資産があるかどうかというのが基準になっています。

上記でも説明しているように、20万円というある程度の基準があるので結構基準はシビアです。

そうした状況で自己破産の申立をした時点で資産の有無がはっきりしないような状況だと同時廃止にならない可能性があります。

自己破産ではしっかりと資産について調査して、債権者に分配するということが必要になります。

そのため申立時点で資産調査が不十分な場合には、資産状況を裁判所の方で調べることになり、そのため管財人による調査が必要だとされて、管財事件になる可能性があるということです。

つまり資産があるかどうか分からないという誤魔化しは通じないということです。

免責不許可事由があると同時廃止にならない

自己破産の同時廃止を満たせるだけの資産要件を満たしているのに、同時廃止にならない場合もあります。

それが免責不許可事由に該当するかどうかということです。

免責不許可事由とは?

免責不許可事由は自己破産した際に免責が認められない可能性がある要件のことです。

つまり自己破産しても借金がなくならないかもしれない要件のことを指します。

参照:免責不許可事由の詳細情報

免責不許可事由については破産者の借金の原因だったり、破産に至るまでの資産の処分方法、破産手続きでの債権者の態度など色々な部分を見られて判断されます。

免責不許可事由については、明確に該当するか判断がつかない場合でも、その疑いがある場合には、調査のために破産管財人が選ばれて管財事件になる可能性があります。

というかそもそも免責不許可事由に該当するような場合には、自己破産しても免責されるかどうかも微妙になるので、同時廃止や管財事件以前に、自己破産を利用できるかどうかも怪しいです。

資産がなくても同時廃止にならない具体例とは

免責不許可事由に該当するかどうかが、資産がなくても同時廃止にならないような場合と説明しましたが、そういったことを含めて、具体的に同時廃止にならない場合ではどのような原因が多いのでしょうか?

下記で具体例をいくつか載せているのでよかったら参考にしてください。

過払い金を回収するような場合

資産が現在無いような場合でも、自己破産前に過払い金があることが分かって、過払い金返還請求をして、過払い金が回収されるとそれが資産となってしまいます。

つまり債務整理前は資産がないような状況でも、債務整理の過程で過払い金などが回収されると、それが資産になってしまって、同時廃止の資産要件を満たせない可能性があるということです。

借金の原因がギャンブル

自己破産で同時廃止が認められない良くある事例として、借金の原因がギャンブルというものがあります

借金の原因がギャンブルの場合には免責不許可事由に該当するので、そもそも自己破産が認められない可能性があります。

こういった借金が原因で自己破産を検討している人は多いですが、自己破産はそんなに簡単に認められるようなものではないので、ギャンブルによる借金がある場合に、自己破産を検討しているなら注意が必要です。

弁護士の無料相談で同時廃止になるか判断してもらおう

自己破産をする際に同時廃止になるかどうかは、資産状況はもちろんですが、免責不許可事由に該当するかどうかということも関わってくるので、個人で判断するのはなかなか難しいです。

また事前にしっかりと資産がどれくらいあるのかわからないと同時廃止を得ることはできないので、資産状況をしっかりと把握しておくことも大事です。

こうしたことをすべて個人で判断するのは難しいことなので、同時廃止で自己破産できるかどうか分からないような場合には、弁護士の無料相談を利用して調べてもらうといいです。

無料相談を利用して、同時廃止が可能であるようなら、そのまま自己破産の手続きをお願いすればいいと思います。

自己破産の手続きについては、基本的に弁護士に丸投げして行うのが通常なので、無料相談の際に同時廃止になるか管財事件になるのかあらかじめ知ることができます。

当サイトでは自己破産や債務整理に慣れている弁護士事務所をいくつか載せているのでよかったら参考にしてください。

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