生活保護を受給している人の中にも借金返済で苦労しており、返済が滞りそうなので債務整理で借金を整理したいと思っている人も少なくないです。
すでに生活保護を受給しており、普段の生活が安定している人でも、ギャンブルにハマってしまったり、連帯保証人による借金を背負わされたり、色々な原因で借金できる可能性があります。
しかし生活保護を受けている人は、生活するのぎりぎりの状態だと思うので、借金ができてしまった場合に、返済することができなくなる可能性があります。
そういった場合に債務整理を利用することはできるのでしょうか?
債務整理で法テラスを利用するには条件がある
法テラスを利用すれば債務整理することができると思っている人は多いと思いますが、誰でも法テラスを利用できるわけではないんですよね。
法テラスで無料相談を利用したり債務整理を行ったりするためには利用条件を満たす必要があります。
具体的には下記の3つの条件を満たす必要があります。
収入や資産が一定以下であること
東京や大阪の場合
同居家族数 | 手取り月収 | 家賃や住宅ローンを負担してる場合 |
---|---|---|
1人 | 20万200円以下 | 25万3200円以下 |
2人 | 27万6100円以下 | 34万4100円以下 |
3人 | 29万9200円以下 | 38万4200円以下 |
4人 | 32万8900円以下 | 42万900円以下 |
東京や大阪以外の地域の場合
同居家族数 | 手取り月収 | 家賃や住宅ローンを負担してる場合 |
---|---|---|
1人 | 18万2000円以下 | 22万3000円以下 |
2人 | 25万1000円以下 | 30万4000円以下 |
3人 | 27万2000円以下 | 33万8000円以下 |
4人 | 29万9000円以下 | 37万円以下 |
資産条件について
同居家族数 | 資産合計額 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人 | 300万円以下 |
和解や示談によって債務整理成功の可能性があること
債務整理で借金が減額される可能性がないと法テラスの弁護士に債務整理の依頼をすることはできないということです。
まあ、これは法テラスの弁護士に限ったことではなく、勝ち目のない債務整理は普通の弁護士事務所でもやらないと思います。
民事法律扶助の趣旨に適すること
報復感情を満たすためのだったり、宣伝のためなどの権利濫用的な訴訟の場合は利用できないということです。
この要件はあまり債務整理とは関係ない感じがしますね。
何となく離婚や慰謝料請求での弁護士利用の要件という感じがしますね。
無料相談を利用する場合には「収入と資産の要件」と「民事法律扶助の趣旨に適すること」という条件を満たせば利用できます。
実際に弁護士費用の立替などを利用したり依頼する場合にはすべての条件を満たす必要があります。
法テラスで債務整理するメリットとデメリット
債務整理についてどこで相談したらいいのか分からない人は、とりあえず法テラスで債務整理について相談すればいいのではないかと思う人も多いと思います。
そんな法テラスですが、利用する場合にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
債務整理の法テラス利用のメリット
法テラスは通常よりも弁護士費用が安いというメリットがあります。
お金がない人が債務整理を利用するので、弁護士費用が安いというのは大きなメリットなのではないでしょうか。
また法テラスでは弁護士費用を立替えてもらえる仕組みもあります。
法テラスで立替えてもらった費用は月額5000円から1万円程度の分割返済をしていけばいいので経済的名負担も小さいです。
また生活保護受給者にはさらにお得な制度があります。それは下記からご覧ください。
債務整理の法テラス利用のデメリット
債務整理を利用する際に法テラスを頼る場合にはメリットもありますが、デメリットもあります。
基本的に法テラスでは無料相談や債務整理等を依頼する場合には弁護士を選ぶことはできないです。
法テラスでの弁護士は名簿からランダムで選ばれているので、どういった弁護士に当たるかはわからないです。
運よく債務整理に慣れている弁護士だったらいいですが、場合によっては債務整理経験がほとんどない弁護士に当たる可能性もあります。
ちなみに無料相談は3回までしか利用できないので注意が必要です。
また法テラスを利用する際には上記でも載せているように利用条件があるので、それを満たしている人でないと利用できないというのが一番大きなデメリットだと思います。
生活保護受給中で弁護士費用がないなら法テラスを利用しよう
生活保護受給中の人の場合なら法テラスを利用して債務整理をするのがいいのではないかと思います。
生活保護受給者の場合なら法テラスの利用条件は満たしていると思います。
また弁護士費用についても法テラスの立替制度を利用することができるので何の不安もないです。
さらに生活保護受給者の場合なら、この立替制度によって借りた弁護士費用の返済が猶予されるという特典があります。
具体的には生活保護受給期間は弁護士費用を返済する必要がないので、弁護士費用の心配がまったく必要ないということになります。
生活保護受給中の人が利用できる債務整理方法
生活保護を受給している人の場合だと多くの場合にはほとんど自己破産を利用しています。
債務整理方法には他にも任意整理や個人再生という債務整理方法がありますが、どうして自己破産を利用するのでしょうか?
生活保護受給者の多くが自己破産を利用して債務整理をするのには理由があります。
生活保護受給者は弁護士費用の心配がないから
生活保護受給者の場合には上記でも説明していますが、弁護士費用の立替制度を利用することによって、生活保護受給期間中は弁護士費用の返済が猶予されるので費用の心配がないです。
普通の人なら弁護士費用や資産が没収されるのを懸念して任意整理や個人再生を利用します。
しかし資産没収や弁護士費用の心配がないなら、あえて自己破産以外の債務整理方法を選択する理由がないということです。
生活保護費からの借金返済は危ない
自分の借金は自分で返したいということで、生活保護受給者の中にはあえて任意整理を選択したいという人もいます。
しかし基本的に生活保護費は生活のためのものなので借金返済に利用すると、生活保護を停止されるおそれがあります。
まあ、無理もないですよね。生活保護費から借金返済が認められたら、それを食い物にしようとする新たな貧困ビジネスができそうですしね。
任意整理や個人再生でも借金は減額されますが、自己破産のように全額免責されるわけではないです。
そのため任意整理や個人再生だと手続き後に借金を返済していく必要があります。
生活保護費でその借金を返済できないということを考えると、生活保護受給者の債務整理は自己破産しかないのではないでしょうか。
おそらく弁護士の無料相談でも自己破産を勧められると思います。
ちなみに当サイトでは法テラスではなく、債務整理の実績が豊富な無料相談を行っている弁護士事務所をいくつか載せているのでよかったら参考にしてください。